契約関連法務に関するご質問

皆さまからお寄せ頂いた、法務に関するご質問を、企業家、および企業の皆様に役立つ情報としてQ&A形式で公開します。

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業務委託契約書を作成するにあたって、注意するべき点はありますか。

業務委託契約は、委託者が受託者に対し、ある業務を委託して、これを受託者が受託することで成立する契約です。委託される業務の内容には様々なものがあり、契約書を作成するには業務の内容を正確に把握したうえで、適切な記載をすることが求められます。

業務委託契約において、受託者が業務の処理作業を委託者の事業所でする場合などには、いわゆる偽装委託として労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等に違反しないよう注意しなければなりません。

委託業務が下請法の対象となる場合には、下請代金支払遅延等防止法上、代金支払時期や親事業者による下請事業者への書面交付義務、書面の保管義務などの規制があります。

さらに、業務委託契約においては個人情報が取り扱われることが多く、委託者のみならず受託者も個人情報保護法令及び主務大臣によるガイドラインに従わなくてはなりません。委託者は、受託者に対して必要かつ適切な監督を行わなければならないとされ(個人情報保護法第22条)、したがって、業務委託契約書において情報の管理・利用についての制限を設けておく必要があります。

ライセンス(実施許諾)契約の種類にはいくつかあると聞きましたが、どのようなものがありますか。

ライセンス契約にあたっては、実施権の範囲(許諾の対象権利、許諾期間、許諾地域、許諾対象行為、第三者への委託の可否など)のほか、実施権の種類も決める必要があります。そして、実施権の種類としては、通常実施権と専用実施権があります。

通常実施権とは、契約で定めた範囲で実施権者が特許発明を実施しうる権利です。通常実施権は、独占的な権利ではありませんが、特許発明の実施権者は競争関係に立つことが多いため、通常実施権者は特許権者に対して、他の者に通常実施権を設定しない特約を結ぶことが多いです(独占的通常実施権)。専用実施権とは、設定行為で定めた範囲内で特許発明を独占的に実施しうる権利です(特許法第77条第2項)。

独占的通常実施権と専用実施権との違いは、専用実施権が設定されると特許権者は設定した範囲内で特許発明を実施できなくなるという効果を及ぼす点(特許法第68条ただし書)、また、独占的通常実施権者には特許権侵害に対して損害賠償請求ができるに過ぎませんが、専用実施権者は特許権侵害者に対し自己の名で差止請求や損害賠償請求をできるという点にあります(特許法第100条~103条、104条の2~106条)。

ライセンス(実施許諾)契約で会社のノウハウの使用許諾をする場合において、留意すべき点を教えてください。

一般にノウハウとは、技術的知識と経験又はそれらの集積であって、その経済価値を事業者自らが保護・管理するものであり、おおむね、不正競争防止法上の営業秘密等に関するものをいいます。しかし、このノウハウは範囲・外延が明確なものではなく、またその内容を特定しすぎることは、契約締結以前の段階でかえって営業秘密の漏えいにつながりかねませんので、技術内容や効果を具体的に記載した技術文書の名称等を記載するなどして、できる限りノウハウを特定する必要があります。

他方で、実施権者側としては、ノウハウの内容である技術や効果について、後で問題が生じないように、秘密保持契約を締結したうえで事前に十分な調査・検討をする必要があり、そのような機会がない場合にはノウハウの技術内容や効果について特許権者に表明保証してもらう条項を設ける必要があります。

ライセンス(実施許諾)契約にあたって、当事者が自由にその内容を設定することはできますか。

ライセンス契約で、知的財産の保有者(ライセンサー)が、相手方(ライセンシー)に対していかなる条件を課すかは原則的には当事者の自由です。また、著作権法、特許法等による権利の行使と認められる行為には独占禁止法が適用されません(独占禁止法第21条)。

しかし、知的財産権の実施許諾以外の事項について不当な制限を課す場合には、「これら権利の行使とみられる行為であっても、行為の目的、態様、競争に与える影響の大きさも勘案した上で、事業者に創意工夫を発揮させ、技術の活用を図るという、知的財産制度の趣旨を逸脱し、又は同制度の目的に反すると認められる場合」には、「権利の行使と認められる行為」とは評価できないとされて、独占禁止法上違法となる可能性があるので、この点からも注意を要します。

当社は東京を拠点にして事業をしていますが、他府県に所在する取引相手との将来の紛争に備えて東京地方裁判所のみを管轄裁判所としたいのですが。

訴えを提起する場合、法定管轄として「被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する」とされており(民事訴訟法第4条1項)、法人であればその主たる事務所又は営業所の所在地等に管轄権があります(同条4項)。また、義務履行地や不法行為地などに管轄を有する裁判所に訴えを提起することもできます(民事訴訟法第5条第1号、第9号)。

そのため、東京地方裁判所を第1審の管轄裁判所としたいのであれば、当事者間で書面又は電磁的記録で明らかにする方法で合意をする必要があります(民事訴訟法第11条第1項、第3項)。その場合、上記の法定管轄が認められる裁判所のほかに東京地方裁判所を付加する合意(付加的管轄合意)と、特定の裁判所のみに管轄を認めて他の裁判所を排除する専属的管轄合意とがあります。しかし、いずれの合意であっても「訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるとき」(民事訴訟法第17条)には他の管轄裁判所に移送される可能性は残ります(民事訴訟法第20条1項かっこ書)。


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