種類株式の設計に関するご質問

皆さまからお寄せ頂いた、法務に関するご質問を、企業家、および企業の皆様に役立つ情報としてQ&A形式で公開します。

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株式公開前のベンチャー企業への投資として、普通株式ではなく優先株式によることは、投資家にとってどのようなメリットがありますか。
  • ① 配当・残余財産分配優先株式を取得することで、剰余金の配当や残余財産の分配を優先的に受けることができます。

もっとも、ベンチャー企業という性質上多くの剰余金は望めず、また会社解散の際にはそもそも株主に分配できる残余財産がないことも稀ではないため、上述のメリットは大きくはありません。

  • ② 拒否権、取締役選任権付株式を用いることによって、経営関与の手段を確保することができます。
  • ③ 取得請求権付株式の場合は普通株式と異なり、転換の際に取得価格の調整ができるため、例えば取得価格を下回る払込価格によって株式が発行された場合には取得価格の調整をすること等を定款に定めることによって、新規のファイナンスによる持分の希薄化を一定程度防ぐことができます。
優先株式による投資をしたいのですが、仮に投資先会社が経営不振に陥った場合、新たな投資家は優先株式のある企業に投資してくれないこともあるのではないかと、心配です。このような事態にそなえてあらかじめ講じておくべき手段はありますか。

確かに、経営不振に陥った投資先会社に融資する新たな投資家が、投資の条件として、既存の優先株式をすべて普通株式に転換すること要求する場合があります。その場合、一人一人と交渉して優先株を普通株に転換してゆくことは現実的ではありません。

そのような事態を想定して、あらかじめ優先株式に、「上場日・公開日以外にも投資先会社が全株式を取得することがあり、その際対価として普通株式を交付する」という内容の取得条項を付しておくことが考えられます。

種類株式発行の手続きにはどのようなものがあり、またどれくらいかかりますか。

種類株式の発行する手続きとしてまず、株主総会を招集し、種類株式の募集事項について、決定(会社法199条2項)又は取締役会に委任(会社法200条)します。次に、取締役会設置会社においては取締役会の決議で、誰に株式を割り当てるかを定めます(会社法204条1項)。

発行までにかかる日数としては、一般に、株式譲渡制限会社は、取締役会設置会社である場合、株主総会の開催日との間に1週間をおいて株主総会開催の通知を発送しなければなりません(会社法299条1項)。通知を発送して1週間後に株主総会を開き、その株主総会(又は種類株式の募集事項を委任された取締役会)で募集株式の払込み期限をその日と定めた場合には、1週間で種類株式の発行手続きが完了します。株主総会で、募集事項の決定が取締役会に委任された場合には、もう少し日数がかかります。これに加えて、取締役会で株式の割当を決める必要があり、すべての手続きを同じ日に行ったとしても、1週間はかかります。

なお、あらかじめ全株主の同意を経て招集手続きを省略して株主総会を開催し(会社法300条)、同様に全株主の同意によって株主総会の日を募集株式の払込み期限とする提案を可決し、あらかじめ引受人である投資家全員との間で総数引受契約を締結しておいて種類株式の募集事項の通知・引受・割当の手続きを省略(会社法205条、204条1項・2項)すれば、法定の手続としては1日で株式の発行を完了することも可能です。


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