企業家のための法コラム

第1回「私がIPOを目指した理由」

企業家のための法コラム

元榮 太一郎(もとえ たいちろう)

弁護士法人法律事務所オーセンス 代表弁護士
弁護士ドットコム株式会社 代表取締役社長兼CEO

profile

  • 1975年

    米国イリノイ州エバンストン市生

  • 1998年

    慶應義塾大学法学部法律学科卒業

  • 1999年

    司法試験合格

  • 2001年

    アンダーソン・毛利法律事務所(現 アンダーソン・毛利・友常法律事務所)入所

  • 2005年

    法律事務所オーセンス設立。同年、オーセンスグループ株式会社(現 弁護士ドットコム株式会社)設立

  • 2014年12月11日

    弁護士ドットコム株式会社 東京証券取引所 マザーズ市場に上場(6027)

第1回私がIPOを目指した理由


ビジネスロイヤーとしてのスタート

私がビジネスロイヤーとしてのキャリアをスタートさせたのは、2001年の秋でした。司法試験に合格し、司法修習を終えた私は、四大事務所の一つといわれるアンダーソン・毛利法律事務所(現・アンダーソン・毛利・友常法律事務所)に入所しました。そこには、誇りと自信にみなぎったプロフェッショナルたちが、寝食を忘れて働く世界があり、ナショナルクライアントや世界大手の金融機関、グローバル企業をクライアントに抱え、M&Aや金融など、最先端の企業法務に次々と取り組む日々に、心からやりがいを感じていました。そんなあるとき、ネット証券会社を買収するM&A案件に関わることになりました。

クライアントは、急成長しているIT系の上場ベンチャー企業で、創業者の社会に新しい価値を創造しようとする姿、社員一人一人の熱量に魅了され、血沸き肉躍る感覚を持ちました。

この新しい価値を世に創り出す「起業家」という人生を目の当たりにし、それは後に自らが起業を目指す1つの大きなきっかけとなったのです。

弁護士から、いざ起業へ。

どうしたら起業家になれるのか?私は考えました。MBAに向けた勉強に取り組み、たくさんの書籍を読んで確信できたことは、ビジネスチャンスは普段の生活の中の「あったらいいな」に隠されているという事です。
また、「いろんな事業アイデアのなかで成功確率が高いのは、コアコンピタンス分野だ。」そう感じていた私が選択したのは、「弁護士」であることでした。

そして、弁護士という分野での「あったらいいな」について考え、辿り着いたのが、「弁護士ドットコム」の事業アイデアでした。

弁護士は、法律知識や過去の経験すべてを総動員し、クライアントを全力でサポートします。
人々が困ったときや予防法務のためにサポートできる弁護士サービスが、たくさんの人々が気軽に利用できるシステムがあれば、安心して暮らせる社会づくりに貢献できる―。

まだ誰もやったことがない日本初のサービスを立ち上げるため、私は慣れ親しんだ法律事務所を退職しました。そして、誰もが「実現不可能」というアイデアの実現のため、死に物狂いで奔走することになったのです。

かっこよさなんてどうでもいい。

ベンチャーというのは、毎年、星の数ほど創業しています。

ビジネスロイヤーとしての将来を捨て、素晴らしい仲間と環境を捨て、誰からも理解されない時間が過ぎても、僕は真剣に、泥臭く、徹底してやり遂げました。

起業経験もなければ会社経営の経験もない。
振り返れば、創業当時はとにかく恥も外聞もなく人に会って頭を下げていました。
起業を通じて巡り会えた他社の経営者や、投資の専門家、上場会社の経営経験者など、相談や助言を行ってくれる「メンター」とのご縁もあり、僕は素人ながら会社を成長させていくことができたのです。もちろん、一人では何もできません。創業メンバー、信頼できる友人たち、手を差し伸べてくれた先輩たち、自らの生き様で導いてくれた経営者の先輩たち、そして、今まさに人生をかけて共に働いてくれる仲間たち。
大前研一さんのアタッカーズ・ビジネススクール(ABS)事業計画コンテストでの優勝は、そんな仲間たちへ、私が最初に伝えられた明確なメッセージです。

「起業」する時こそ、弁護士を活用して欲しい。

僕は、法律事務所の代表弁護士でもあります。
近い将来、起業やIPOを目指す経営においては、弁護士へ相談することを、ぜひおすすめします。

「起業」のときこそ弁護士を活用してほしい、ということです。

特にベンチャーキャピタルなどの外部投資家から出資を受ける際に作成される契約書は、絶対に弁護士にチェックしてもらうべきなのです。

例えば、通常、出資者側から発行される投資契約の契約書。
契約交渉の鉄則で、一般的には、最初の契約書案は一方にとって有利なもの、つまり、出資者側にとって都合のいいものが出てくる。法律的な観点からしっかりと確認してもらわないと、契約書にサインした後にトラブルが起こりかねません。

また、弁護士に見ておいてもらったほうがいいのは、出資契約に限りません。
事業アイデアの適法性を「フィジビリティーチェック」(実現可能性チェック)なども、そのうちの一つです。

ブルーオーシャンで勝負を挑んで

2005年、弁護士として初めて本格的なインターネットビジネスを起業。

弁護士資格を活かした新しい社会貢献を追求し、2014年12月11日、史上初の弁護士によるIPOを実現。代表取締役社長兼CEOをつとめる 弁護士ドットコム株式会社が、東京証券取引所 マザーズ市場への上場を果たしました。

メッセージ

私は今、新たなステージに立っています。
ブルーオーシャンを生きる私の人生は、まだ始まったばかり。
一度きりの人生。人生は有限。この言葉を胸に刻んで、自分しかできない社会的価値の創造をこれからもひたむきに追求していきたい。
そう思っています。

元滎太一郎

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